冬季うつ/季節性情動障害(SAD)とは
Seasonal Affective Disorder (SAD)とは一体どのような病気なのでしょうか。
日本語では「季節性情動障害」や「季節性感情障害」と訳されています。
ある季節に限定してうつ状態が発生する脳機能障害の1つ。症状は気分の落ち込み、意欲減退、倦怠感、過食、過眠など。英名の頭文字をとりSADと呼ばれる。夏期と冬期に発症することがほとんどだが、その8割は冬に症状が出るため「冬期うつ病」と言われることも多い。精神科医のノーマン・E・ローゼンタールらが季節に影響されるうつ病患者の研究を初めて行い、1984年にSADとの病名がつけられた。冬季うつ病の治療には、高照度光療法、日光浴が有効で、必要に応じて薬物療法も用いられる。(出典:知恵蔵mini)
主な症状
- 気分の落ち込み
- 喪失感
- 体が怠い
- 無感情
- 疲れやすい
冬になるにつれて、何をやっても楽しくない、やる気が起こらない、普段なら笑って対処できることでもネガティブに考えてしまう、疲れやすく、常に体が怠い状態にある。
上記に加えて、典型的な「うつ病」とは異なる症状。
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過眠
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過食
過眠:朝はベッドから起きられず、昼も眠くてたまらない。少しの間だけと思って、ソファーに寝そべったら最低1時間は寝てしまう。夜は家族の食事の支度をしたら、すぐ横になるの繰り返し。
私は、冬眠中のクマのように一日のほとんどを寝て過ごしていました。
過食:特に炭水化物やチョコレートが欲しくなります。実はこれ、私がSADだということを意識することになった大きな理由。
甘いものが苦手な私は、ドイツで有名なハリボ―というグミの匂いを嗅ぐだけでも気持ち悪くなるほど。チョコレートも食べてもひとつが限度。ひと箱一気に平らげるなんてことはあり得ない世界の人間。
そんな甘いもの嫌いな私が、今年の11月くらいから、娘のお迎え帰りに毎日のようにスーパーで買っていたもの。
それは、チョコレートつきのドーナツ。
普段なら食べることもないドーナツ。しかもチョコレートつきのものを無性に食べていました。
加えて、クリスマスまでのカウントダウンを楽しむアドベントカレンダーに入っていたチョコを子どもたちから奪い取るまでに…
このような症状が、冬の時期に限定して、数年間続くようであれば季節性情動障害を疑ってみてもいいかもしれません。
原因
はっきりとしたことは解明されていませんが、冬場は日照時間の減少が大きく影響していると考えられています。
太陽の光を浴びることで、セロトニンというホルモンが分泌されるようになります。
セロトニンは神経伝達物質のひとつで、精神の安定には欠かせない物質。
うつ病患者には、心のバランスを保ってくれるセロトニンが不足している傾向があるようです。
さらに、このセロトニンの低下は、過食、過眠にもかかわっていることがわかっています。
うつ病は心の病ではない
一般的にうつ病と聞くと、「心の弱い人」や「根性のない人間」というイメージがありませんか?
「気の持ちようで治るんじゃないの?」そう思っている人も多いはず。
私も今回、SADのことを知るまでは、うつ病は心の病だと思っていました。
でも実はうつ病って、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが原因となっているんです。
逆にいうと、神経伝達物質のバランスを整えることによって予防することができます。
あなたは弱い心の持ち主ではありません!
あなたは根性なしでもありません!
「気を強く持ちなさい!」なんて言葉は真に受けないで!
きちんと病気のことを知り、正しい対処法を行うことで、暗く寒い冬も一緒に乗り切っていきましょう!
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